空き容量の少ない状態で運用してはいけないことは、ZFSを運用する際の常識です。ファイルシステムに書き込むときにコピーオンライトするため、必ずコピーが行われます。空き容量に余裕がないと連続する空き領域を確保できず、書き込みが致命的に遅くなります。そして削除のときもメタデータのコピーが必要なので、空き容量が少ないと削除も致命的に遅くなります。空き領域が足りないのに削除が遅いので詰みます。
ZFSで使用量が90%を超えるのはかなり危険です。しかし、ftp.jaist.ac.jpのZFSの使用量は90%を超えても何の問題もなく、95%に達してもなお問題ありませんでした。書き換えが少ないなら、ぎりぎりまで使っても平気なのかと思っていたのですが、そんなに甘くはありませんでした。Fedora 20をミラーした直後に書き込み性能が大きく低下し、ほかのミラーがとどこおるようになりました。
そこで空き領域を確保するために、まずobsoleteなFreeBSDのpkgngの非公式なミラーと、Scientific Linuxのバージョン4以前のファイルを削除しました。DebianのISOイメージは、古いものから最新のビルドまであらゆるものをミラーしていたのですが、最新のリリース版を残して削除しました。これで使用量は85%まで減りました。
ストレージの容量を増やす方法については現在検討中です。増えたらDebianのすべてのISOイメージのミラーは復活させるつもりです。
日本最強の看板を下ろしたミラーサーバftp.jaist.ac.jpの管理者の一人が、
このサーバにまつわるよしなしごとを語ります。
English versions of some posts on another blog.
2013年12月29日日曜日
2013年12月17日火曜日
UltraSPARC T1のシングルスレッド性能の低さ
小ネタです。先日のプレゼンの中で、UltraSPARC T1のシングルスレッド性能が低いため、日ごろの管理作業でレスポンスが遅くイライラすると言いました。この遅さを表現するために「いつの時代のCPUだよ」と言ったのですが、あまりいい表現ではなかったです。より的確に表現するなら、過負荷のサーバーにログインして作業しているときの「あれ」です。ftp.jaist.ac.jpの場合は、CPUの負荷が50%程度で普通に動いているときでも、ログインするとレスポンスが「あれ」なんです。どれだけイライラするかおわかりいただけますよね。
2013年12月10日火曜日
第九回カーネル/VM探検隊で発表してきました
12月8日に行われた第九回カーネル/VM探検隊でftp.jaist.ac.jpに関する話をしてきました。主にUltraSPARC T1について話しました。わりと変わったアーキテクチャのCPUなので、この会に集まる低いレイヤーに興味がある人たちに楽しんでもらえると思いまして。でも、こんなマイナーなCPUの話題を選んだのに、次の発表者と話題がかぶってしまいました。次の方の話題がUltraSPARC T1のオープンソース版のOpenSPARC T1だったんですよ。これがカーネル/VM探検隊のおもしろいところですね。
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