2009年9月14日月曜日

UltraSPARC T1の弱点とUltraSPARC T2

このエントリーをはてなブックマークに追加
UltraSPARC T1には決定的に向かない仕事があります。各コアは整数ユニットは持ってるんですが、浮動小数点ユニットは8つのコアで共有していて、浮動小数点ユニットを使うだけで40サイクルのペナルティがあります。だから浮動小数点演算をたくさんする仕事はだめです。

UltraSPARC T1はカタログではSPARC V9互換を謳っていますが、実は実装されていない命令が結構あります。実装されていない命令はillegal instructionのtrapを受けてOSでソフトウェアエミュレーションされます。浮動小数点ユニットのlong double系は全滅です。精度にかかわらず平方根もだめ。SIMD命令のVISも一部しか実装されていません。

まあミラーサーバをやる分には困ることは何もないんですけどね。

今はUltraSPARC T2がありますから、浮動小数点の性能が必要ならこちらを選ぶ手もあります。この子は各コアに整数ユニットを2基、浮動小数点ユニットを1基持っています。整数ユニットが倍になった分、各コアで処理するスレッド数も倍の8になっています。

8スレッドで1基の浮動小数点ユニットのパイプラインを共有するので、ゃっぱりそんなに浮動小数点性能は高くないんですけどね。それとこちらもlong doubleは実装されてません。VISはちゃんと実装されてます。

ミラーサーバで利用することを考えたときのUltraSPARC T2の魅力は、なんといってもx8のPCIeと二つの10GbEのXAUIがCPUから生えてることでしょう。小さなI/Oレイテンシは魅力的です。

今年JAISTでSun Fire T5120を何台か買ってるので、そのうち一台をftp.jaist.ac.jpにという話がないわけでもないんですけど、T2000は最近メモリを64GBに増設したばかりなので、まだまだがんばってもらう予定です。伝統的にftp.jaist.ac.jpは古めの機材でカツカツで運用するもんなんですよ。

0 件のコメント:

コメントを投稿